耐震工事のご紹介
当社で行った耐震リフォームを紹介します。
耐震の考え方ですが「家を強くする」のではなく「倒壊しにくい家にする」が当社や師匠アラセの考え方です。
耐震リフォームはかなり微妙なグレーな工事だと思います。
いくら高額な耐震リフォームを行っても「地震で家が倒壊はしません」と大手建築会社でも言い切ることはできません。
当社の耐震リフォームは①なるべく費用を抑える②効果がよくわかる③工事が簡単を基本で考えています。
床下基礎を鉄筋とコンクリートで補強する工事。八王子市館町 平成26年9月
地盤の沈下から家を守る為に布基礎を現在の新築と同じようなベタ基礎へするための工事の紹介です。お客様と何回か打合せをしました。ここまでやらなくてもいいと私は言いましたが、「完璧を目指してください」との事でかなり大がかりな工事となってしましました。また、今回の工事は「家の湿気対策」にはかなり効果的です。事実、お客様も「湿気がなくなった」とお手紙も頂きました。
1階に和室がありましたので、ここから床下へ侵入する作戦です。タイル浴室を除いた1階の床下全てに鉄筋とコンクリートを引きつめます。
丁寧に後で復旧する事を考えながら解体していきます。
床下で寝ころびながらの作業ですので、泥だらけにならないようにブルーシートをひきました。
約30センチ間隔で鉄筋を網の目に組んでいきます。鉄筋は針金で結束します。
もちろん既存の基礎と鉄筋はアンカーでの接続です。
今回は床下に土台が引き抜けない金具を取り付け。約3tで引っ張っても大丈夫な強度です。現在の新築強度と同等です。
お庭も雑草防止と耐震性のUPの為にコンクリート工事を行います。
床下よりは細いワイヤーを使いました。基礎への接続は床下と同じ10ミリの鉄筋をアンカーで固定しています。
家の周りすべて同じ仕様にしました。
生コンがはねても大丈夫なようにブルーシートで被います。
こちらも同じように覆いました。養生作業はどの工程でも非常に大切な工程です。汚さないように作業するのが本当の職人です。
今回は高橋君と私の先輩、加藤さんが床下の担当。雨カッパでの完全防備ですが・・・これでも体中が生コンだらけです(笑))
このような車で生コンをホースから送り出します。1日の車代はなんと5万円です(涙))))。
ホースを連結します。今回は約30mのホースで床下に流しました。
ホースから生コンが送り出されています。微妙な生コン量の調整が難しいです。
生コンを出す人、床下の人が声を掛け合いながらの作業です。
いや~~本当に過酷な作業です。加藤さん、高橋君。本当に感謝です。
床下のコンクリート打設が完了。掃除の作業中です。
外もポンプで生コンを流します。実は今回の作業人数ですが、生コンを運ぶ運転所1名、ポンプ作業2名。床下作業2名。外作業2名。合計7名での作業。休むことが許されない作業です。
約1週間乾燥させました。キッチン床下は金属製のツカを使って床を水平にしました。
玄関横もキレイになりました。ワイヤー耐震も4か所行いました。
庭へ向かう通路はすべて、コンクリート。約10センチの厚さで当然建物の基礎とはアンカーでつながっています。
こちらの「犬走り」にも鉄筋&基礎へ接続済み。厚さも10センチ。
後日、耐震ステンレスワイヤーの遊びを調整しました。工事は完了です。
約1週間の工事。
鉛筆ですので・・読みにくくてすみません。
ステンワイヤー基本4本セット、大工工事などすべてコミコミ価格で130万円です。
ステンレスワイヤーによる耐震リフォーム工事
ステンレスワイヤーによる耐震工事と屋根の葺き替え工事を行いました。
ステンレスのワイヤーを1棟につき最低4か所工事を行います。角には必ずワイヤーを入れる工法です。緑色のテープでワイヤーの位置を確認しながら基礎を掘ります。
壁に障害物がある場合はその障害物をよけながらワイヤーを流します。角度など調整しながら工事を進めます。
場所や角度が決まりましたら、土を掘り基礎を加工する工事です。ワイヤーによる耐震リフォームのポイントですが、必ず基礎にワイヤーを接続させる。またその一方も必ず2階床の梁に接続する。
今回の基礎には「鉄筋」が入っていない基礎でした。当然鉄筋が入っている方が強度が高いです。また、基礎とワイヤーの接続も鉄筋が入っていない場合少し難しくなります。
このような簡単な部品を使う事で工事費用を抑える事が可能となりました。8ミリステンレスワイヤーを除けば、どこの建材屋でも売っている部品です。
しかし、この部品すべてが3tの力でも切れないものです。
基礎に12ミリ程度の穴をあけます。この時も角度が重要。理想的な角度で穴が開くように注意します。
基礎に穴が開きましたら、部材を穴の角度や方向に合わせて加工します。
真っ直ぐだった部品を加工して角度を付けました。何回も穴に合わせて加工するので少し時間がかかります。
基礎とワイヤーの接続です。
目印の緑のテープにちょうど部品を合わせる事が出来ました。
軒天上をあけて、2階床下の梁にホールアンカーを取り付けます。
部品を取付後にワイヤーを取付ます。ワイヤーは専門工具でカシメ作業します。
少し遠くから写真を撮りました。ワイヤーが解りますか?雨どいの裏ぐらいにあります。あまり目立たなくていいと私は思います。
ワイヤーを接続した基礎の仕上げ工事。10ミリの鉄筋を入れてコンクリートを流します。
軒天上には穴をあけました。
仕上げに換気窓を付けて完了。
新築現場の基礎。参考にしてください。当社の現場ではありません。
新築現場の基礎です。基礎すべてがコンクリートで仕上がっています。
家の四隅には3tの強度に耐えられる金物が入っています。
私が使った部品と同じです。
この部品は基礎に埋め込まれています。当社で行った工事と基本的に考え方や基礎と金物の接続は同じです。
基本4本セット、大工工事などすべてコミコミ価格で49万円です。
工事は約3日で終了。
室内を耐震べニアで補強する工事
この方法は家全体の耐震を考えた工事ではありません。現状より強くなるが工事のポイントです。
部屋の内壁を「構造用のベニア」で増し張りする方法です。
ひと昔前の家ですと、内壁に5ミリほどのベニアや9ミリの石膏ボートで
壁を作っています。
裏には筋交いが入っているのですが、強度的には弱いと思います。
もちろん壁の裏にある「柱」や「タルキ」にベニアをビスで固定。
クギよりビスの方が数倍強度が出ます。
耐震用のベニア(ダイライト)もありますが、材料費が割高です。
階段や吹き抜け、外部下地壁など高さや距離がある場合は耐震ベニアがいいと思いますが、1部屋程度なら構造用ベニアで十分だと私は思います。
ベニアを張り終わって、壁紙の工事作業中です。
壁紙工事が完了。家具を戻しました。ベニアを増し張りした事が解りませんね。
8帖のお部屋で材料費、壁紙、工事費
すべて含んで155,000円です。
工事日数は約2日間です